きみはポラリス

きみはポラリス

きみはポラリス

恋愛小説ばかりをあつめた短編集。長さ的にも内容的にも、通勤時間の電車の中でちょっとずつ読む、などなどがしやすい、気軽に手に取れる一冊でした。ただ、個人的には通勤時間が短いため(電車に乗っているのは10分強)、「うおっ、今いいところっていうか、…(ペラっとめくりつつ)…あと2ページで終わるのに!」みたいなことがたびたびあったので判断は必要です(自戒)。
ええと、そして内容なんですけど……最初の3本と後ろの2本は好きなのですけど、個人的に、わりと真ん中の一群が駄目でした……(骨片と春太はふつう)。これはたぶん、読んでいる自分の方に問題がありまして、あー、これらすら受け入れられないほど、じぶんの精神状態は極端に傾いてしまっているのか……と落ち込みつつ認識した何かでした。割り切れないことが受け入れられないあまりにも過ぎるシンプルライフを送ってしまっているのかもしれません。
うーん、この小説の登場人物たちのような、熱病のような感情というより静かな情のようなもので人間関係をつくったり、それに囚われたりしながら生きる人たち自体は好きなのですが、その関係性への相対の仕方が自分の感情の振れ幅に合致したりしなかったりしたんだろうな…と、なんとなく思いました。個人的には、その関係を背負うだけの(大きな)覚悟が欲しい。もしくはその関係自体が取り戻せない、または自分から突き放したものであって欲しい。ただぼんやりその中に浸かっているままに「これでいいんだ」って、うすぼんやりとした結論で終わるのは物語としてちょっとなぁ…と、も。
あと、小説としての出来はあんまりわからないのですが、じぶんは「オチ」のある短編のが好きー!っていうのがあるかもしれません(あんまりオチはないですかね…)。そんなこんなで今回の感想はひたすら個人的ですす。