村田エフェンディ滞土録

村田エフェンディ滞土録

村田エフェンディ滞土録

百年前のトルコ、スタンブール。日本人留学生・村田の下宿先には、英国の女主人、ギリシャ、ドイツ、そしてトルコの若者が居た。彼らの穏やかな友情は、やがて時代の波に飲み込まれていくことになるが…。
奥付みたら3年も積んでいたのか…と頭を抱えました。もっと早く読めばよかった…と反省しましたが、でも遅ればせながらも読んでよかった…!とも思ったり。この作者のラストの落とし方はいつもずるいなーと思いつつ、最終章で駄々泣き。優しい淡々とした雰囲気が余計涙を誘います。

我々は、自然の命ずる声に従って、助けの必要な者に手を差し出そうではないか。この一句を常に心に刻み、声に出そうではないか。『私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない』と。