漫画がたまっています。

漫画がものすごく積まれていて、もはやどれを読んだのか読んでないのかすらわからなくなってきました。がんばってよむぞ!

真空融接

「供給者」と「補給者」でセットになり「力」の受け渡しをしながら生きる、お互いなしでは生きられない体質を持つ人々の物語。

真空融接 上 (B's-LOVEY COMICS)

真空融接 上 (B's-LOVEY COMICS)

真空融接 下 (B's-LOVEY COMICS)

真空融接 下 (B's-LOVEY COMICS)

近所の本屋で「あれー、BLだったはずのに! レーベル代わって一般漫画になってる!」…というポジションに平積みされていまして(「エマ」の近くにあったんですよ)びっくりしたのですが、買ってみたら、エンターブレインもBLのレーベル立ち上げたの、か……? でも、かなりプラトニックなので、やや属性持ちの人なら問題なく読めると思います。
特に主人公たちの留学・そして過去を描いた2巻部分は、主人公の片割れ、アレクシが誕生するまでの優しい「異類婚姻譚」の一種としても読める。絵は現代的ですが、そもそも設定が、寄宿舎、半ズボン(?)、そして互いが居ないと"存在できない"少年たち……という、やはりBLが「少女マンガ」の直系子であることを思わせます。「ひとり」と「ひとり」を向き合わせ、二人だけの関係を描くボーイズラブ(漫画)は、やっぱりその精神性を抱えてきた「少女マンガの直系卑属」なんだろうな、とこの漫画を読んで改めて思わされました。
しかし、別の版元で出たとき同様…読み終わってから、ぼやーんとこの「供給者」と「補給者」な設定について考えていたんですが、わりと不安な設定ではありますよね……。この国の人だけがこういう不思議体質なんだとしたら、国際社会からいったいどういう扱いを受けているのだ、とか(2巻でちょっと書かれてるけど、それでもー)、そもそも人間なのか、とか、もしパートナーがどうしてもどうしても生理的に受け付けなかった場合は悲劇だなあとか、なんか有象無象を考えてしまったのですが、うん、まあ、あんまり考え込まないほうがいいのかな。
きれいな部分を享受しよう。それで十二分に成り立っているこの作品は、確かに良作なんだと思います。