「スウィーニー・トッド」の感想というよりは別な感じ

スウィーニー・トッド」(日生劇場

19世紀末のロンドン。好色なターピン判事に妻をとられ、無実の罪を着せられ流刑にされた床屋のスウィーニー・トッド。若い船乗りアンソニーに命を救われ、15年ぶりに街に舞い戻った彼は、妻の自殺と娘のジョアンナがターピンの養女になった事実を知る。彼への復讐を期して、ラヴェット夫人のパイ屋の2階に店開きをするスウィーニーだが…。

そもそも思えばまともな観劇(?)をするの自体、去年のお正月のNODA MAPの「贋作・罪と罰」以来。そしてまさか、その後こんなことになろうとは…あの時は想像することもできなかったのだ……。
――人生ホント何が起きるかわかりませんね! 
そんな「城田の本気を見てみたい」実践編、ミュージカル「スウィーニー・トッド」を見てまいりました。
入った途端に「おお、オケピ、オケピ」「おお、隣が着物を着た上品な初老の女性だー」と、それだけで興奮するのは間違ってますよーねー。入口近くでぼーっと立っていた時に、近くの若い女の子たちが「やっぱり『プレゼントはこちらでーす』とかないんだね!」「きゃはは!」と言っていたのが印象的です。うん。
中身としては、タイトルと「殺人床屋の話」とだけは知っていたのですが、「ほうほう、なるほどこういう話か!」と見ながら、「この後どうなるんだろう〜」と普通に見てました。そうよね…ふつうちゃんとしたわくわくストーリーがあるのよね……。善と悪が何なのか、それは個人の中にしかないんだよね、だとか、この若い二人は上手くいかねーだろうなーとか、ストーリー的な感想も持てた舞台ではありました……(それすら新鮮…っていうのが…) 市村さんが本当にすごいのもはじめてわかりました。城田も補正入っているのかもしれませんが、ああ、このこ、本当に上手かったんだなー!と思いました…はい…。バタバタ動いてて可愛かった。ぜひこのままオタク業界を抜け出し、まっとうな舞台俳優の道を歩んで欲しいです…(テレビで観るとなんだか異次元だからさ…)
そんなこんなでおおむね満足して出てきたのですが、観終わったあとお友達と「『リピートする』のと『上手で話も面白い』は違うよね…」という話になりました。あれですよね、上手いと「噛み芸」とかないし、「音取れるのかしら…(ハラハラ)」もないし……(オカン化)。ええと、テニミュ等々をリピートしてしまうのは、やっぱり、(ズバ抜けて凄くなくとも)高校野球箱根駅伝高校サッカーなどと一緒で一生懸命頑張っている若者(集団)が持つ一時の輝きみたいなね…! それらへの郷愁と萌え……のようなものに、オカン回路が合わさった非常に厄介なものなのではないのかと思いました。
それか、アミノ酸たっぷりのジャンクフード説と「混んでいるけれど別に美味しくもない料理屋さんに納得いかずにもう一回行ってしまう」説がありました。わかりません。
人というのは難儀な生き物ですね(ぜんぶの結論)