入江亜季 二冊

ぼんやりしていたら近所の本屋では全滅で、結局アマゾンで買いましたよ…ううう…(微妙な負け感)…な、二冊。

コダマの谷 王立大学騒乱劇 (ビームコミックス)

コダマの谷 王立大学騒乱劇 (ビームコミックス)

群青学舎 一巻 (ビームコミックス)

群青学舎 一巻 (ビームコミックス)

「コダマの谷」の王立大学に、首席で入学した天才・ニール・ライダー。卒業すれば官吏として働く地位が保証されているこの学院で、ライダーは王子アーサーに出会う…という「コダマの谷 王立大学騒乱劇」。もう一冊の「群青学舎」はタイトルどおり「学舎」に集う人たちの物語なんだろうけど、作者の赴くままに縦横無尽に描いた印象の強い読みきり連作。個人的な好みとしては「コダマの谷」のほう…かな。でも両方面白かったです。

私は基本的には物語の「ネタバレ」を気にしない人間なのですが、何故なのかといえば畢竟、ストーリーそのものよりも物語のディテール(シーンだとか台詞だとか、言ってしまえば登場人物の関係性だとか)を重視していて……もちろん話も面白いことには越したことがないんですが……、というスタンスだからなんだろうな、と、自分では思っています。
正直、そういった自分の嗜好からとても好みだった漫画なのですが、確かに、そう、この漫画の面白さはストーリーそのものではない…ような。何よりも作者が好きなようにのびのび描いていることが前面なせいか、多少サービス精神(!)には欠けるし(「漫画の面白さ」と「親切さ≒サービス精神」については別の機会に一度ちゃんと思いを馳せたい心持)、小粋な台詞があるわけでもないし、ストーリー自体も普通といえば普通だし。
ただ、とにかく抜群に絵がうまい。ただ上手いというよりは…"漫画的"な空間や時間といった「間」の使い方がものすごくうまいんだなーーーー。と、読みながら何度も感心しました。というか「漫画」がうまいのか。なんともいえない絶妙なさじ加減の「ファンタジックさ」「フィクションさ」みたいなのも秀逸です。面白かったです。今後の作品にも期待。
あと登場人物がみんな素敵です。かっこいいし可愛いし。特に好みだったのは「コダマの谷」のアーナスタ家のユリウス!(わっかりやっすー)