夜に訪うもの
- 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,Ursula K. Le Guin,山田和子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/05/16
- メディア: 文庫
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個人的には「エルフランドからポキープシへ」「アメリカ人はなぜ竜がこわいか」「SFにおける神話と原型」「SFとミセス・ブラウン」あたりの章が特に面白かったかな。
個人的に、ファンタジーを読んでいて時おり不満に思うのは、その語彙であったり文章であったりするわけですが(そこに引っ掛かってくると読み進めることが難しくなる)、「エルフランドからポキープシへ」の章にある
「なぜファンタジーでは文体がかくも根源的な重要性を持っているのか。」「それは、ファンタジーにおいては、世界に対する作家のヴィジョン以外にはなにものも存在しないからです。」「あるのはただ、接合部も合わせ目も釘もすべてが露出した、虚空に浮かぶ構造物のみ。」
……そんなわかってるはずだったことにものすごく感銘をうけたりしました。
そもそも、タイトルからしてすてきです。
わたしたちは、人間は昼の光の中で生きていると思いがちなものですが、世界の半分は常に闇のなかにあり、そしてファンタジーとは詩と同様、夜の言葉を語るものなのです。