旅日記2

reri2005-08-20

フランス4、5日目は、友人と一泊二日の旅行に行きました。適当にホテルを取って、車でブルゴーニュ地方のディジョンとボーヌへ。しかし友人はフランスでペーパードライバーを返上したという新米ドライバーでして、高速乗るのは2回目という新米具合でした……。フランスの高速道路……そこは無法地帯……どんな車でさえ150キロ以上で飛んでいく世界……。友人の家から最初に向ったボーヌまでは150キロほどあるのですが、友人が強張った笑顔で「やべ、170キロ出てる……」といいながら走っていたら45分で着きました……。でもなんか3時間くらい乗っている気持ちだったよ……。小さい車だからドアが風圧でばうんばうん言っているんですよ。「ひーしぬーしぬー」「うるさい! 死にたくなかったら黙っていろ!」「ひー、おかーさーーん」的会話をしながらの、そんな高速道路…。着いた瞬間、全開の笑顔で「はーい、到着☆」と言った友人の顔は晴れがましすぎて涙が出てきました(そしてたぶんお前はスピード狂の素質十分だと思った)
ボーヌは中世くらいからの城壁の残っているとても小さな街で、なんかもう、すべてがメルヘンランドというか、なんか地味なディズニーランドに迷い込んだようなあまりの異世界感。そして現実感のなさ。すごいなー。やや「観光地!」という街なのでしょうが、ここまで中世の町並みなどが綺麗に残っている(と思える)場所ははじめてだったので、感動しました。そして念願だったロヒール・ヴァン・デル・ウェイデンの「最後の審判」を観、昔好きだった守護聖人アトリビュートなどについて爛々とした目で語っていたところ、「本当にオタクだよね…」と呆れられたりしました(この友人にはまんが好きとかほも好きとかオタクの趣味をビタイチ大声で主張したこともないのに!)(つまりひととしての本質がオタク…)
ボーヌでちょっと高めのランチを取り、ブルゴーニュといえばエスカルゴ! や、どうもぶっふ・ぶるぎにおんという牛肉のワイン煮込みが名物料理のようだったので、それを食べました。「ぶっふ・ぶるぎにおん」は音の響きが面白すぎて(旅行中は箸が転がっても面白いのです…!)(おとめだし…!)、ふたりでなにかといえば「ぶっふ・ぶるぎにおん」って連呼していました。味もおいしかったー。日本で食べるような牛肉ではなく、もっと筋っぽいのですけど、それがとろっとろで。お肉の味がして。おいしかったなあ。
そこからディジョンまでは高速には乗らず、下の道を通って行きました。いわゆるワイン街道です。右も左もいちめんのブドウ畑……! おおおお、ウルルン滞在記っぽい!(バッチリの喩え) 途中に12世紀の修道院を改修したシャトーなんかもあって、そういうところに寄り道したりしながら、ディジョンへ向かいました。ほんとうこの道がものすごく綺麗だったなあ。フランスはものすごく道路の標識が親切なので、市内などを抜けてしまえば(市内は一通がほとんどでわかりにくい)、そうそう迷うことはなさそうです。運転に自信がある人はレンタカーを借りて旅行するのはかなりおすすめかもしれません。
そんなこんなでディジョン到着。昔からブルゴーニュ公国に憧れていたので(北方ルネサンス美術とかが好きだと、避けて通れない国だったりします)(ヤン・ファン・アイク……!)(ニコラ・ロラン……!)、その首都のディジョンという場所に降り立っただけで感動。もう遅かったのでその日は寝て、翌日にディジョンを観光しました。フィリップ善良公の塔に登ったりだらだら街並みを並みを歩いたり。歩きながらケーキ食べたり。そこそこ大きな都市なので、やっぱりボーヌほど中世感は味わえませんでしたが、それでもう、幸せでした。本屋とかでニヤニヤしながら、ローマ時代ごろからのディジョンの街の広がりの歴史のみを追った本とか買っていたら、「このオタクめ……!」と、友人に白い目で見られたりしました。
そういえばディジョンには触ると幸せになれるという幸運のフクロウの像が教会の裏にあったわけですが、触りながら「帰り道……無事に、なにとぞ無事に、交通事故などにあいませんように……!」とものすごく卑近なことを祈ってしまい、今思えば、こんなことだから幸せになれないのかな、と思いました(だって本当に怖かったんだよ……! 高速道路……!)