reri2004-08-25


すみませ……。

イギリス旅行 3日目。

この日、なんとなく少女漫画の24年組を愛する腐女子としては、パブリックスクールは見に行かなくてはならないような義務感に駆られました。けれどわりと観光地っぽい(らしい)イートン校に行けばいいのに、なんだかよくわからないままに、チャーチルバイロンの出身校のハーロウ校に行くことにしてしまいました。パブリックスクールとか有名な大学とかはわりと遠くにあるようなのですが、このハーロウ校は中途半端に田舎でした。シャーロックホームズで有名なベーカーストリートの駅から電車で30分弱…くらいだったでしょうか。わりと近めです。そんなこんなで、最寄と見られる駅で電車を降り、大体の方向に向かって歩いていきました。恐ろしいことに、この時点でちゃんと場所を把握していませんでした。歩いていると次第に急な坂を登り始めることに。地図ではこのあたりのはずだし……地名もあってるし…でも……と、ぐるぐる疑心暗鬼になりながらも歩く……。そして歩くこと30分くらい。めちゃめちゃ坂でした。割と体力はあるほうなんですが、距離感がわからず歩いていたせいもあると思うのですが、「もう歩きたくない」というくらいの坂でした。人も住んでないような古い建物が鬱蒼とした木々の中に立っており「どこだ、ここ」という感じ。「帰れなくなったらどうしよう…」とぼんやり不安に思いながらも、それでも「もうちょっとだけ……あの角を曲がって何もなかったら引き返す…」となんとか歩いていくと、――唐突に視界が開けました。雲ひとつない快晴の空に、すっとゴシック風の小さい教会が立っていて、その向うには馬の背のように古い町並みが続いています。切れた町並みから遠くを眺めると、眼下にうっすら煙るように街が広がっています。教会からはかすかにパイプオルガンの音が聞こえてきて、丘の上だからか風が気持ちよくて、思わず泣きそうになりました。

ぶらぶらしながら歩くと、ハーロウ校の制服を売っている店などがあり、場所は一応合っていたようだと一安心。でも……でも肝心の学校がどこだかわかりません。人があまりにもいないので、聞くこともできず、かなり不審者のようにふらふら探し回ってしまいました。でもこの辺りは本当に「郊外」という感じで、道端に普通にブラックベリーがなっていたり、リスが走っていたり(鎌倉とかにもいっぱいいるけどな!)、「わー、すげー」と内心はしゃぎながら歩いていました。でも学校はどこだかわかりませんでした。

そんなこんなで面白く、ちょっと離れがたかったこともあり、延々ぶらぶらしていると、やっと人が! 居た! この際どこが学校なんだか聞くしかない! 意気込んで聞きました「ハーロウ校はどこですか?」 しかしおっさんの返事は「ここだよ」…でした。確かにそう言っています。ここ? ここ? ??

―――つまりです。つまり、結局その辺り全部が学校……だったのです。
私のふらふらしていた時間は一体…。そしてこのくらいの時間から妙に子どもたちがその辺を歩いているのに気づきました。年齢も性別もバラバラで、大分ラフな格好をしてます。なぜか日本人の少年たちもいました。「てめーうっせーんだよ、ばーか」とか言ってました。こんなに苦労したのに…とかちょっぴり思いました……が。ふと気づく。ああああ、そうか! 今は夏休みなんだ! こういうところって夏の間は短期留学だの語学留学だのの生徒を寮に受けれいてたりするんですよね!? そういう漫画読んだことあるよ! 
つまり正規の学生さんたちの間では
「誰だかわからない留学生のために部屋の荷物を綺麗にするのって馬鹿らしいと思わない?」
「しかたないさ。……それより休暇中にうちに来る話だけど…」
みたいな会話が展開されているわけですね!(ALL推測)

写真は学校の近くでとったもの。本当、びっくりするほどきれい。