reri2004-08-19

お前本当に旅行に行ったのか、という感じなのでイギリス日記書きます。実はもう過去化が進んでますが。

一日目
とりあえず街の中心部でも行っとくかな、ということで、オックスフォードサーカスからピカデリーサーカスあたりをぶらぶら歩く。それにしても暑い。乾燥しているので日陰は涼しいのですが、直射日光がとにかくきつい。気温は27、8度でしたが、日向の体感気温はもっとありました。イギリスは夏でも涼しいと聞いていたので五分袖とか長袖とかばっかりしか持ってきておらず、自分を恨みたい気持ちに。結局耐え切れずその辺のお店でノースリーブとかキャミソールとかを何枚か買いました(結局旅行中にはほとんどこれを着てた)。そんな感じでお茶飲んだりしつつのんびりぶらぶらしてから、トラファルガー広場行ってその奥のナショナルギャラリーに行ってきました。トラファルガー広場の噴水では暑いからか子供たちがジャブジャブ泳いでいて、イモ洗い状態に。こんな街中で上半身裸で泳いでいる子供がすごくいっぱいいるのがなんだかショック。ろりこんとかしょたこんとかに気をつけろ!(という思想がもう駄目なのかもしれない)
で、ナショナルギャラリーです。実はすごく初期ルネサンスとかフランドル絵画とかが好きなので、でれでれしながら見てきました。ウッチェロの《サンロマーノの戦い》とか笑ってしまってしばらく動けなかったです。ちょうど遠近法の技法が開発されてあんまり経ってないころのイタリアの画家なのですが、多分ものすごく楽しみながら遠近法を学んだのでしょうね、戦いに敗れて斃れた人とか、剣とか、棒とかが、全部、全部、遠近法の消失点を向いて倒れてるんです……。絵自体はまだ中世を引き摺っているので、そんな無理な統一感と異常な愛に笑えました。マンテーニャの絵は(これもイタリア)、異常に上手いし遠近法も駆使して過度に下から覗き込んだ絵とか書いているのですが(ソッティンスーっていう短縮法)「俺、絵上手いだろ! すごいだろ!」と言われている気がしてしまい、なんだか妙な気分になりました。面白いですけど。あとは……クリベリの絵の遠近法とかも実物はすごかったなあ…主題の受胎告知が霞んでます。フィリッポ・リッピも好きー。それからフランドル絵画のほうでは、有名なヤン・ファン・アイク《アルノルフィーニ夫妻像》の前にはさすがに人が溜まっていたのですが、絵の中に立つ、二人の間にある鏡の向こうに来訪者が居るのまで確認できてやっぱり嬉しかったです。フランドル絵画はファン・アイクは上手すぎますが、他の人の絵などは、質感とか細部は異常なほど描きこまれていて美しいのに、全体のバランスがどうにも妙なのがかわいくてツボです。ハンス・メムリンクの絵などは見ているだけで優しい気持ちになれました。しかし……しばらく勉強していないので忘れてしまったことも多くて、こういう絵はたいてい寄進者と守護聖人とかが描かれて持物から守護聖人の名前までわかるようになっているのですが、その持物=聖人をほどんど忘れてしまっていたのが悲しかったです(例えば石投げられて死んだから、石持って頭から血を流している聖人とかがいる)。でもなんなんでしょうね。現代美術とかも好きですが、現代美術は有象無象というか……、こういう古い絵は「がんばって残ってきた」という感じがとてもします。それが愛しい。
あとフェルメールとかもみたのですが、人居ないですねー。日本にフェルメールの《真珠の耳飾の少女》が来たときの大阪と《画家のアトリエ》の来た上野と、私も両方行ったんですが、両者のありえない行列ぶりを思い出して日本人はなんか変だと思った。みんな美術館にはよく行くのに、絵とかは買わないよね。
それからイギリス絵画とか印象派とかも見て、結構くたくたになりながら出てきました。結構遅い時間になっていたのでご飯食べてホテルに戻って一日目終了。そう言えばご飯はどこで食べてもそんなに破壊的には不味くなかったのは、私の舌の問題なのでしょうか。