BL小説ってなんだろうと考えたメモ

前にちらっと「個人的な感覚かもしれませんが、BL小説とBL漫画の差みたいなのが最近広がっていて、別ジャンルになりつつある…ような気もしなくもない」…と書いたのですが、BL小説って、根本的な部分、「視覚的にストーリーが見えない」というのが難しいのかなー、と思いました。小説は、一度手に取れば、読み手の時間と労力を多く割くことになるけれども「先が見えない」。だからたぶん、書くほうも売るほうも「ある程度読み慣れた読者が、ある程度満足する基礎を置き、起承転結を乗せ、その上で作品のクオリティを足す」、という厚いベース(≒ある種の無難さ)を意識せざるを得なくなるのかな…と。見えないゆえに…そして、何よりもジャンルの特性ゆえに、裏切りが許されないのでは……。ある程度冒険できる作家なんて、それこそ90年代の黎明期の時点で(あの頃のほうが確実に作品の自由度は高かった)足場を固めてしまった作家だけのような気がします。
BLは人ひとりが恋愛をする小説であって、起承転結に縛りまである。叙述トリックや、主筋を揺るがすどんでん返しや、凝った物語などは必要がない。だってそんなものは「求めていない」から。一行でも自分の心の機微に寄り添う部分があったり、一瞬現実を忘れさせてくれる非現実性があれば満足しちゃうのです(でもここには定石や安定感を求めるから不思議だなあとも思うんですけど…)。その時点で「物語として」面白いと胸を張っていえるものはぐっと少なくなる…。「BLらしさ」という意味では小説のがどっぷり浸かれますが、それこそBL説法みたいなのをマスターしないと難しいところがあるような……。その点ではいろいろと漫画のほうがゆるい気はするなー。
個人的にはBL風味小説だけ集めたレーベルとかサブカル漫画雑誌のBL小説版みたいなのがあっても面白いと思うんですけどね! どっかつくってー(うれなそー)

などと突然小説の話を書いたのは、id:syana22:20061020というお話をいただいたからです。ありがとうございます。
「ジャンル買い」はなかなか難しいところもあるので「作風(作家)」が一番良いような…。私も基本は作家買い&レーベル買い&レーター買いのセットで新刊の山に挑んでいます…。そんなこんなで今思いついたなるべく最近で個人的に面白かった年下攻はこの二本!(ものすごい唐突におすすめキタコレ)(合わなかったらゴメンナサイ)
捨てていってくれ (ビーボーイノベルズ) (続編ですがこれだけでもよめる…はず)
斜向かいのヘブン (ディアプラス文庫) (設定に引かなければ)