ひとくちにBLといいましても

「ひそかに読む人が増えています。あなたも読んでみませんか?」
というポップとともに近所の本屋さんでBL漫画が並べられていたんですが、並んでいたのは藤たまきの「プライベート・ジムナスティックス」と雁須磨子の「のはらのはらの」、水城せとなの「窮鼠はチーズの夢を見る」と、西田東数冊だったので、「ああ、素養のある人が手に取るなら正しい選択肢なほうかもなあ…」とぼんやり思ってみました。そういえば別の本屋さんで同じような企画を見たときは、「純情ロマンチカ」と星野リリィとお金さんなどが並んでおり、「わ、わからないでもない…? ん? どうなの?」と頭を抱えたものでした。実のところ、何を薦めるのが一番いいのでしょうか? そもそも、読みたい人は抗ってもその海域に辿り着いていると思うので、むしろ、自分は「ボーイズラブかあ。流行っているみたいだし、何か読んでみようかな?」と手に取るシチュエーションというのが想像できない……。いつ、どこで、どんなひとが!どんなタイミングで!そんなことを考えるのか! 「読みたいけど、多すぎて何から読んでいいのかわからない…」ということ?(妄想中) 
そんなこんなで自分を振り返れば、どっかのお宅で「切なくて良い」という成人向けろりこん漫画を手に取ったものの、「す、すみません、無理です……」と読めなかった過去があり、やっぱり「見かけのライトさ」>「お話」で考えたほうがいいのかなとふと思った。わかりません。でもあの本もがんばって読めば面白かったんじゃないかと思うとちょっと悔しい気もする。わかりません。
あと、先日、日本のミッション・スクール (中公新書)の歴史を紐解く新書を読んでいたところ、せっかく近代の歴史などを興味深く読んでいたのに(本自体はおもしろかったです)、「BLの世界でも、ミッションスクールという舞台は好んで使われる」という紹介とともに、ナンバランが紹介されており「ちょ……間違っては無いけどなんだか待って!」と途端に物悲しい気持ちになったことを併記しておこうと思います。微妙な差異と葛藤は伝わらないというお話。外から見ればみんな同じだけどスタートダッシュで差が出るのよ……!(なんのはなし)