リンダリンダリンダ

高校生活最後の文化祭のステージに向けて、オリジナル曲の練習を重ねてきた少女たち。しかし本番寸前にギターが指を骨折、さらにボーカルまで抜けて、バンドは空中分解寸前。残されたドラムの響子、ベースの望、キーボードからギターに転じた恵、はブルーハーツのコピーをすることに。そして彼女たちがボーカルとして半ば偶然声をかけたのは、韓国からの留学生ソンだった……。
ああ、こういう子いたいたー! こういうことあったあったー!というリアリティと、なんともいえない噛みごたえの自分の学生時代の郷愁みたいなのがあいまって、ものすごく面白かったです。なにも事件らしい事件も起こらない、何も進展らしい進展もしない三日間の物語なのですが、もともと「現実」には大した事件などはおこらない。だけど、その中でこそ、ちょっとした人間関係の変化とかちょっとした人の成長とかが浮き立ってくるのかもしれませんね。そしてこの映画の少し突き放したような視点が、過ぎて行く日常の時間と、その疾走感をも、ものすごくリアルに感じさせてくれました。
そして何より女の子が可愛いかった! リアリティがあるのにちゃんとキャラ付けされているので、すっと入り込むことができました。ソンさんが可愛い! バス停で恵ちゃんとのシーンの「わたし、がんばってもいい?」「うん、がんばってよ」みたいなやり取りもいいし、忘れてきてしまった望ちゃんのベースを我先に取りに行こうとするシーンとか、いろいろとものすごく可愛かったです。彼女が誰もいない体育館でひとり、バンドのメンバーを紹介するシーンもいい。そのときソンさんが「気も短いし、怒ると一番怖いけど、本当はすごくやさしい」と言った恵ちゃんもよかったなー。性格がキツくて、少し自己中だけれど、本当にやさしくて、頼もしくて、格好よくて、男前でした。惚れる。(彼女の夢のシーンは、どこから夢だったのかあとで話していて気づいたりしたんですけれど) 響子ちゃんは、一也くんがらみのエピソードがすごくいいし(クレープ屋で二人たたずんでいるところとか、やばかった)(どうなったか恵ちゃんに報告するシーンもいい)、望ちゃんはあのしらーっとした所とか……ああ、私、高校時代こんなんだったよ…と微妙に重ねて観てしまいました…。
萌ちゃんやダブった先輩とか他の登場人物もすごくいいし、ちょっとしたシーン……ソンさんが作った韓国についての展示発表の紙の上に、真っ赤な太い字で「3:30から!」と書かれているのを、先生がぼんやり眺めるシーンとか、ぶわっと泣けてきました。彼女たちのブルーハーツもよかったですし、サントラ聞きたいなあ。
面白かったです!!