手の記憶

私は仕事で、とっても大きな括りでみますと、紙……、紙モノを扱っているのですが、昨日盛大にミスしましてその商品たるあるものをビリっとしてしまいまして、こう、まあでも、あまり怒られなかったのですが、本当そのビリっという感覚が……あのなんとも言えない不快な瞬間の感覚がひたすら手に染み付いてしまって、昨晩はなかなか眠れませんでした。手がひたすらひたすら感覚を反芻してうるさいくらいでした。頭は眠いのに、身体は疲れているのに、もはや罪悪感などあまりおぼえてないのに、手だけが、手だけが、なんとも言えない不快感を、むしろ冒涜感といったようなものをしきりに訴える。
そんなわけでけっして楽しい夜ではなかったのですが、意志と身体がバラバラになるということを意識するのは久しぶりだったので、なんだか懐かしい気持ちにもなりました。子どもの頃はもっとよくあった。手や足だけが何かをおぼえてむずがるように眠れないような日が。そんなこんなをだらだら思いながら、昨晩は雨が降っていたので、長靴の中に雨をたぷたぷにしながら歩く足の感覚を思い出しながら朝方寝付きました。
そんなこんなで、ちゃんとしたトラウマもちのひとは大変なんだろうなと思ったり、古いものは大切にしようと思ったり(お前の職種でそれは今更過ぎますよ)(ビリッとしたのは1930年代のアレです)いろいろと。
なんかものすごくなんだこりゃという感じの文書いてますが、どんなものでしろ、何十年も残るものってすごいよなあ、ということです。
この手の記憶も明日にはもっと薄れていることでしょう。