キリス=キリン1 森の王

キリス=キリン1 - 森の王 (C・NOVELSファンタジア)

キリス=キリン1 - 森の王 (C・NOVELSファンタジア)

地味だー。すごい地味だ。相変わらずC☆NOVELSは地味なファンタジーを出しすぎだと思います(それがいいのですけど)

少年が神託によって導かれた先は、圧政を敷く青の女王のもとで潜伏を続ける森の王キリス=キリンの陣営だった。森の奥の陣営の聖堂で光を灯し、神と王に仕えるようになる少年は、やがて三人の女と知り合い、彼女らの手ほどきのもと、魔術師としての道をも歩み始める……。

というわけで予備知識もなんにもなく本屋で適当に買ってみたわけですが、話は設定が詰められていて状況に緊迫感があってそれなりに面白いとはいえ、もともとの構図などはかなりスタンダードな印象はあります。でも、一点「ええ? えええええ」ということがありまして、それがかなりびっくりしました。ええと、決定的なネタバレになってしまうのでやめたほうがいいのか、それとももし万が一買われる方のお耳に挟んでおいて方がいい情報なのか、微妙なラインなのでちょっとその「ええええ」を隠してみます。


いや、ちょこちょこ首をひねる部分はあったのですが、二章のラストに明らかに怪しい部分がありまして、

「ジェセックスよ。(中略)こうして私と二人きりでいるときでさえ、お前はある種の危険に晒されているのだ。こんな仄めかしで。お前が気づくことはないだろうが」王は何気なくそう言ったが、僕を見つめる瞳には何かが秘められていた。

……? なんか、あまりにあまりなので、堪え性のない私は、あとがきを読んでみました。

ジム・グリムズリーといえば、(中略)同性愛を扱った作品の作者としてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。(中略)本作品でも、少年と王が愛し合うようになりますが、これらに共通して描かれるのは、人と人との間に育まれる愛の美しさ、せつなさ、強さです。

すみませんすみません。が、ガチだったーーー。邪推じゃすまなかったーーー。いや、これ、帯とか後ろのあらすじとかじゃ何もわからないから、かなり面食らう人も多いんじゃ……。びっくりしました…。ええと、でも、でもそんなにガチンコという感じでもないので、間違って読んじゃっても読めるんじゃないかな…とか……(頭抱え) そんなこんなでどういう人が読んだのか気になる本ではあります。
ストーリー的には魔法使いになることで、恋の魔法を掛けたのではないかと王に不審を抱かれた主人公の少年が、この先どうなるのか気になるので、続刊は読みたいです。(こう書いちゃうとアレだな……) ええと、青の女王との戦いも気になります。