ある夜の風景

昨晩、会社帰りの駅のホームで「ざけんなこら」「ふざけんな、こら」と、穏やかじゃない感じで胸元を掴み合っているおっさんサラリーマン二人に遭遇。そんなこんなで、その横を「嫌だなー」と通過した際、その、言い合っている人たち二人に呼び止められて、思わず「ぎくっ」となりました。けれど、まあ、怖いし、仕方なくそろーっと振り返ると、ふたりともちょう引きつった笑顔。
え、なんすか、その笑顔……! あなたがた喧嘩していたはずじゃ…!
そして口々に「駅員さん呼んできて」「駅員さん呼んできて」とニコヤカに私に告げ、「あ、はい」と慌てて返したら、また彼らは安心したかのように「なんだこらー」「ふざけんなてめー」「おまえがわるいー」と喧嘩を始めました。
そんなこんなで、こちらは、何故かその怒声を背になぜかニヤニヤしながら駅員さんを呼びにいくはめに。面白いわけでももちろん萌えたわけでもないのですが、思わずニヤニヤ…してしまいました。理性で喧嘩するあほくささというか、正当性の主張がしたいのかなーというか、とにもかくにも感じた滑稽さというか、――どちらにしろニヤニヤするのも不謹慎なんですけれど。
そういえば最近、身近な大人からも「ここはマジギレしておくところだから」「ここは怒っておいた方がいいところだから」と言うような台詞を何回か聞いた気がします。大人って大変ね。