エコール

森の奥深くにある閉ざされた学校“エコール”に、6歳の少女イリスがやってくる。高い塀で外部と遮断されたその学校では、6歳から12歳までの少女たちが年齢を区別するリボンと白い制服を身につけ、ダンスと自然の生態を学んでいた。

これは

我々が通ってきたはずの"少女時代"を描いた映画ではない。肥大化させ変質させた過去を、そこから生まれた異質な記号を、少女たちが演じたフェアリーテイルだ。
"少女たち"自身は喪失し得ていく何かに無頓着である。それはひたすら外部から惜しまれ、賛美されている。囲われた愛玩動物を眺める"誰か"によって。
見ながらぼんやりと「こんな少女時代は無かったな…」と、そんなことばかりを思っていました。けれど、実際の少女たちとを繋ぐ糸は残っていたのかもしれません。
教師が卒業していく生徒に放った言葉、
「すぐに、私たちのことなんて忘れてしまう」
……この言葉で、少なくとも"かつて少女であった"人への映画なのかもしれない、と少し思い直しました。過去は美化され、変質させられていく。しかし、森の教師たちのように少女のままで時を止めることも、滑稽なまでに不幸だということを私たちは覚えておかなければいけないのかもしれません。

あと

実際この年齢の子たちにこんな真っ白い服なんて着せてたらすぐに真っ黒だよ洗濯大変そうだよあわわわわという非常にどうしようもないことをしばらく心配していました。そして予告でやっていた「善き人のためのソナタ」と「王の男」がみたい。先日本屋で見かけた「王の男」のコミック版はなんだか手に取れなかったけど…いかにもすぎて…。