「時をかける少女」ブロガー試写 同行記



時をかける少女

高校2年生の紺野真琴は、ある日の放課後、理科実験室で時間と空間を自在に跳べる不思議な力を手に入れてしまう。叔母にその能力のことを相談すると、それは「タイムリープ」といい、年頃の女の子にはよくあることだという。記憶の確かな過去に飛べる能力を得、バラ色の日々と思われたが、クラスメートの男子生徒、間宮千昭や津田功介との関係に変化が……。

試写に受かったid:kotokoが、2枚で申し込みつつ一緒に連れて行ってくれるという神懸ったことをしてくださったので、幸運にも観にいくことができました。求められてないけれども素敵だったので私も感想書いちゃいます(問題があるようでしたらTBの削除をお願いします)。私はid:kotokoさんに「途中からわかりやすくずびーずびー言っていたね」といわれるほど途中から号泣しておりましたありがとうございました。いま思い出しただけでも「うっ」ときます。
ああ、すごく面白かった!
もはや面白いという言葉すらなんか違う。切ないし綺麗だし泣けるし笑えるし爽やかだし千昭めちゃめちゃ格好いいしときめくし真琴がアホすぎてかわいいしみんな素敵だし何だか何かが凄かった。何だかもの凄かったです。
……私は普段、2次元に対してすごく狭量なのですけれど……2次元の女の子の9割には腹が立つか無関心かのどっちかですし、恋愛模様など繰り広げられてもほとんどの場合「ふーん」と入り込めないし、うっかりするとすぐに別のスイッチ(801方向)がすぐ入るし……。けれど、それらを掠らず、底辺にいる私まで話の主筋に思いっきり引き込まれ拾い上げられ泣かされてしまったのが、私にとってはちょっと衝撃的な出来事でした。その泣かせ方というのも観者の想像の介入する"行間"や"共感覚"に委ねるような曖昧なものでなく、見えにくいところのちょっとした着実な積み重ねであって、(もちろんちょっとした積み重ねの間には「あーわかるわかる」「すげーーわかる」という瞬間がいっぱいあるのですが)、最終的にはその牽引力を作り出している冷徹なまでの構成美に本当にぼこぼこに叩き潰されまった…という完全な完敗でした…。前半と後半のトーンの違い、日常のちょっとしたエピソード、真琴のあほなまでに真っ直ぐ前を向く姿勢、眼の前にあったのはちょっとした積み重ねすべてがひとつに結実する親和的な光景でした。物語に引き込まれながら物語が完成していく達成感をも同時に味わいました。
ええと、でも、とにかく観ている間は、なんとなく観ていたらいつのまにかものすごい大波に攫われてしまって「あわわわわわやばいやばいやばい」という感じだったのですけれども。もう、本当に、恥ずかしい言葉ですが、スクリーンの中、私まで恋をしました。腐萌えスイッチは功介と千昭の登場シーンで一瞬「こ、これはー」と思った以外は全然入らなかった。じぶんでもびっくりです。こんなの子どもの頃以来の感覚です。長年免疫がなさすぎた感覚を無理矢理ひっぱり出されたので、いまだにどきどきしています。
個人的には、しばらくときめき分/乙女分を忘れ去っていた女の人にお勧めしたい映画です。涙と一緒に変な冷や汗も出ます。(むろん乙女分十分のひとにも見て欲しい!)
ぜひ劇場でもう一回観させて頂きます。ご相伴ありがとうございました。