少女漫画三種

少女漫画も面白いですね。ちょっと前に読んだのもあるけれども。

夏目友人帳

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)

妖怪をみることができる主人公夏目が、同じ能力を持つ祖母が名前を奪い、存在を縛った妖怪たちにその名前を返していく…というお話。今市子の「百鬼夜行抄」には似ているのだけど、もう少しほのぼのさと切なさが全面に押し出されている感。言ってしまえば"少女漫画"っぽい。でも妖怪ものはいいなあ。逸脱感というか…ひとの世界と寄り添わない哀しさのようなものに普通に感動しました。
露神様の話がもう、だめで、どわーーーと泣けました。うう。少女漫画のモノローグというのはものすごくずるいナ。

CHERRY

Cherry (マーガレットコミックス)

Cherry (マーガレットコミックス)

主人公の詩はアニメやゲームが好きなちょっぴりオタクの男の子。彼は、交通事故で意識不明になった瓜二つ双子の妹、奏に成り代わって、彼女が好きだった国分先輩に告白することになる。先輩と詩を奏だと思い込んだまま付き合うこととなるが…。実は、国分先輩もオタクだった?!
あらすじを読んで「ん?」っておもったところは「ん?」です。いいんです。それでいいんです。そしてそこがいいんです。自分を否定し続ける隠れオタクな主人公は生き生きとしたオタクの国分先輩に憧れを抱き……。そしてほも……。いいな……これ……なごむ……(ほわわ) 常々、オタク男子ほもの漫画とか小説とかどっかにないかなーと思っていたのですが(思うな)(短編では何個かあったけれども)、まさかマーガレットでお目にかかるとは。少女漫画っぽい温さも心地よく(オタク描写にしろなんにしろ温いのですが)、「そうなんだよ……別にどこまでもガチを求めているわけじゃないんだよ……」と遠い目になりました。
終わり方が、本当にこういうオチだったの?という感じ(ええと、…打ち切り感…)なのですが、このどんでん返しはそれはそれでアリだ。
それにしても主人公の名前が安室な上でのガンダムネタの多さは普通に狙ってるのだろうか。

ゴールデンデイズ

ゴールデン・デイズ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

ゴールデン・デイズ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

花ゆめの連載に気づいたときから(残念ながら三話くらいだった)、「はやくまとめてよーまーせーてー」と身悶えていた一本。ううう、やっと読めた(発売日を先月だと勘違いしていて、一ヵ月前の本屋にて泣きそうになった)。高尾滋はもともと大好きなのですが、今回は普通に好きな大正浪漫ものなうえ、その上さらに話のメインは少年の濃い友情ものっぽいのですよよ、よ…! 男の子の友情もの(?)(!)、これぞ今や失われつつある花ゆめの黄金時代な、いや、"ゴールデンデイズ"なテーマですよ…!(得意げなツラで) 一巻ということで、キャラも伏線も多く、ちょっとバタバタしていて、まだまだこれからという感じですが、おもしろくなるといいなあ。