現美とか

イサムノグチ展@東京都現代美術館
だいたい時系列で作品がならんだわかりやすい展覧会でした。ブランクーシの影響の強い初期の彫刻→ブロンズ彫刻→石の彫刻→モエレ沼公園という感じで。個人的にあんまりノグチのブロンズ彫刻のイメージがなかったのですが、いくつかの部品を組み合わせるブロンズ彫刻の造形とかすごい面白いな。どうやってブロンズに抜いてるんだろう。こんなにでかいのにサインのところにArtist Proofって入っているから複数個抜いてるんですよね…(ブロンズだからそうだろうとは思うのですが…) どうやって組んでるんだろう。石の彫刻は表面の仕上げとかが面白い(なんか見方がちまちましてて申し訳ないっす…)。うーん、この石の彫刻は御影石とかを一度磨き上げてそれから穿って模様つけてるのか。うーん、台座と本体(言葉が微妙ですが)の石の組み合わせ……色とか雰囲気とかもものすごいいいなあ。
しかし本当、どの作品もモノとしての存在感がものすごくあります。このモノとしての存在感はふっと日常から浮かびあがる分、引き寄せられて目が離せない感じでときめきます。
巨大な石の彫刻、エナジー・ヴォイド(Energy Void)もありました。でけー。この土台の石はうっかりするとすぐ割れそうなんですが、運び入れる作業を思うと個人的にはぞぞぞっとします……(職業病気味)
石とかの彫刻って実際ノグチの指示を受けながら制作する人がいたみたいですし、AKARIのシリーズなどをみると、ノグチってプロデューサー的側面も強いイメージ。あと個人的に言えば、ノグチの作品根底にある感覚の発露というよりは、やっぱり「日本的文化の踏襲」なのかなと思っています。
うむ、あとはミュージアムショップで売っていた現美先行発売のAKARIがちょっと欲しかった。でも私の魔境な部屋のどこに置くんだという感じですが…。そして、モエレ沼公園いきたい。北海道ー。
ASIN:B0000E37UH
ちなみにこれの黒い模様ついてるやつ。



東京府美術館の時代 1926〜1970@現美
本当はこっちメインで観にいった。かつて上野にあった「東京府美術館」を4つの展覧会を通して振り返る展覧会。地味だー地味だー。こういうのだいすきだー!多分お金がないからこういう展覧会をするんだろうな。 昔はいわゆる日本の近代絵画って地味だし暗いし全然興味なかったのですが、日本の近代への興味とともにこの混沌とした文化の匂いが大好きになりました。
欲を言えばこの倍くらいはボリュームが欲しかったな……。
展示で言えば1970年の人間と物質展の写真はおもしろかったです。"現代的"かつエネルギーが溢れているという空気が伝わってきました。
あと1920年代の東京府美術館の様子とかももちろんよかった(それを観にいった)(でももっと観たかった) 関東大震災の復興の中、江戸の町並みを失い、けれどそれは確かに、「今」につながっている。すごいなー。なんか前も書いたんですが、どうも私は1920年代とかが好きなんですが、この都市生活がはじまる20年代の世界は、本や絵やそういうものを伝ってではありますが、自分がぎりぎりリアリティを持って「想像可能」な「異世界」なんだろうなあ、と。
うむうむ。ふたつまとめてだいぶ満足でした。
展覧会日記は別の場所に移そうと思っていたのですが、秋は面白そうな展覧会がものすごくいっぱいあるので自分的にもメモ。先日写美のブラッサイの展覧会を思いっきり観そびれてしょぼーっとなったので、他のはがんばる。とりあえず上野のポルケの展覧会に行くぞー! 行きそびれたら多分泣く。